湯沢再訪2021/08/13

6月に日帰りで久々の訪問をした秋田県湯沢市。
今回は数年ぶりに泊まりでの出張。
新幹線の始発に乗り込む。
出張も少なくなっているうえ、始発に乗り込むのさえも久々でなかなか身体に堪える。
当然とも言うべきなのか、新幹線はガラガラ。
お盆の帰省自粛をしている人もやはり多いんだなと実感。

これも久々となる「トランヴェール」。
あまりあちこちに行けない状況の今では、あちこちに行きたくなるような記事にも
あまり興味が湧かなくなっているということに気付く。
「どこどこでブランド野菜を使った料理が食べられる」
前なら、ちょっと出張ついでに行ってみようかなとか、あまりゆかりの無い街の
内容でも行ってみたいなという気は少なからず起きていた気がする。
でも今はどこか諦めムードで見てしまい、内容が入ってこない。

大曲で新幹線から在来線に乗り換える。
今年も大曲の花火大会は中止。そりゃそうだ。
大曲から湯沢に向かう車窓から雪が残る山が見えて、
「え?この時期に雪残ってるの?」と。
見間違えと思っていたこの景色は翌日に解決する。
居眠りをしながら約3時間後に湯沢に到着。
駅前には湯沢の七夕まつり「絵灯篭まつり」の絵灯篭が展示。
これも今年は本番を迎えることはなかったそう。

仕事は順調とまでは行かなくとも、目的が達成されたことを見届ける。
夜遅かったということもあるけど、夕飯はホテルでコンビニ飯。
朝早かったということもあり、部屋で酒飲んだらもう睡魔に襲われ、
ちょうど日付が変わる頃には眠りについた。

翌朝はお客さんが迎えに来てくれて、一緒に出勤。
ほかのメンバーの作業のフォローをしながら、夕方には帰路に就く。
独り湯沢駅での電車待ちの間に観光案内所に入ってみると、これも当然なのか
旅行客は誰もおらず、年配の観光ガイドが一人資料を見ている。
「こんにちは。何時の電車?コーヒー飲んでかない?」と声をかけられ、
コーヒーを飲みながら色々と話に花が咲く。
絵灯篭まつりのこと、西馬音内盆踊りがオリンピックの閉会式で流れたこと、
湯沢周辺の登山、キャンプ場のこと、30分くらいずっと話していたけど、
その間も誰も案内所に来る人もいない。
やはりそれはそれで寂しい。。。
ここで、前日に見た雪の残る山が「鳥海山」だということを教えてもらった。

「仙台までだったらこれ持って行きな。同じガイド仲間が今日持って来てくれたんだ」
と差し出して来たのは、綺麗にもぎ取られてあとは茹でるだけになっている枝豆と
トマトが入ったビニール袋。
思わぬ収穫だけど、これでカバンがパンパンになった。

出張であれ、出かける楽しさにはこういうふれあいがあるということもある。
人の温かさというものに実際に面と向かって感じることの大切さを
忘れてしまわないかと悲しくなってくる。
それと、その機会が激減することで今の子供達が、
人付き合いにクールな大人にならないか心配に。
とは言え、同じようなことは遥か昔にも起きているので、
そうやって時代、歴史は動くんだろうと思いつつ、
「温故知新」という言葉の「温故」がいつを指すことになるのだろうと
答えの出ないことを考えながら帰路に就いた。