熊騒動 ― 2019/09/07
8月に入ってから近所で熊の目撃情報が相次いだ。
なんとなく熊の動線が見えてくるような目撃情報。
一度は離れていった熊も、朝方に車と衝突事故を起こしてから
再び家の方面に戻ってきてると思われた。
そして8月下旬に家の隣の調整池で目撃情報。
フェンスの向こう側に向かってジャスもよく吠えることが多かったので、
もしかしたらフェンスのすぐ外を熊が歩いていたかもしれない。
フェンスを登って庭に入って来るという可能性もあったってことだ。
で、その二日後、熊捕獲。
ニュースは「捕殺」されたことも伝えてた・・・。
ジャスの散歩の時も角を曲がったら居たりしてとか、
茂みの近くを通るのが怖かったりした。
しかも住宅街を移動しているので、小中学生が被害に会わないかも気になった。
先に書いたように、万が一にも我が家の敷地に入って、網戸を突き破って
家の中に入られる可能性もゼロじゃないどころか十分になったわけで、
そんな諸々の心配をしなくても良くなったのはとにかく助かった。
でも、「捕殺」というニュースにはかなり動揺。
熊は迷い込んだだけで、周辺住民に恐怖感は確実に与えたけど、
実際にどれほどの実害があったのか?
耳に目にする情報は目撃情報しかない。
農作物が被害にあったり、人が襲われたりしたのか?
山奥に放すという選択肢はなかったのか?
迷い込んだとしても密入国だから死刑執行ってことと同じなような?
ただ帰りたいだけ、本当に迷っただけだったかもしれない。
パークタウンの一部の山が崩されて造成された。
泉ヶ岳により近いエリア。
そこからあぶり出されたのであれば、熊は立派な被害者だ。
追い出しておいて、間違った方向に逃げたのが悪かったねで済ますということか?
造成に伴って発生する問題として今回の熊の移動なんてことは議論されたのだろうか?
開発業者は?自治体は?予想していなかった?
一度人の生活圏に入った熊は自然に戻れない、逆に他の個体から攻撃される、
また味をしめて人の生活圏に出てくるかもしれない等々あるのかもしれない。
少なくともそんな議論がちゃんとされて、「いたし方なく捕殺」という結論に
至っていて欲しい。
熊の捕獲わなの回覧板が回ってきた。
区政への協力のお礼から始まり、一部は撤去、一部については期限まで設置継続、
今後の安全策を講じることが書いてある。
設置の案内なんてなかったのに、撤去の案内なんて必要あるか?
という気もちょっとするけど、まぁ情報開示という意味では自治体も
やらなければ行けないんだろうし、住民としても少しは安心できる。
熊を始めとする野生動物側への案内についても考えを巡らせられないもんだろうか?

今日の朝も、さくを部活に送って行った帰りに、車の前を横切る小さなリス。
ちょっと急ブレーキ気味にブレーキを踏んでリスの横断をやり過ごした。
人間は人間の交通ルールに従って通行している。
動物は動物のルールに従って通行している。
どちらが間違っているというものじゃないはず。
熊を捕殺した本人はどう思っているのだろうと想像が膨らんだ。
もしかしたら罪の意識を持っているかもしれないし、そうであって欲しい。
だとしたらその人も被害者だ。
昔から柿の木やりんごの木の収穫時に実を一つだけ残す。
信仰的な面もあるようだけど、鳥のために残しているという説もあるらしい。
開発による利便性を求めることは否定しないけど、それで自然のバランスが崩れ、
自然との共存できなくなれば、もはや「花鳥風月」という言葉すら忘れられそうだ。
今となっては、熊による大きな被害がなかったことを喜びつつ、
人災かもしれない状況で命を落とした熊の冥福を祈るしか無い。
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